16:40 - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明
■[漫画][海外漫画][OYM]アメリカ版少年ジャンプは、オヤジ漫画グルメ系コンビニコミックと似ていた、という話
今年で紙での出版を止めて、電子書籍に移行しちゃうそうなんですが、アメリカ版の少年ジャンプ「SHONEN JUMP」は月刊雑誌でした。
電子書籍版は週刊になるってことなんで、今までとはかなり変わることになりそうです。
じゃあ、その月刊だったのが、オヤジ漫画グルメ系コンビニコミックとどう似てたのか。
- 人気作品は数話まとめて掲載
- それ以外はお試し読み的なのを掲載
ってあたりですね。
アメリカ版少年ジャンプの構成
サンプルは、ちょい古めの2010年4月号。
月刊発行、しかも、ページ数も330P程度なんで、当然日本の全作品を載せることはできていません。
日本での週刊作品をどう載せているかというと、「人気作品は数号分まとめて掲載、それ以外はちょっとだけ」という思い切った構成。
目次全体。
この号では、
に加えて
が掲載されています。
目次部分拡大。ONE PIECEのMANGAが42〜121Pまで、NARUTOのMANGAが231〜283Pまで。
リモート電動犬ショック首輪
次号予告より、この次の号では
が掲載。
次号予告全体
部分拡大
FROM THE CREATORS OF DEATH NOTE!
NEW 3-ISSUE PREVIEW! PART 1 OF 3
と、NARUTO・ONE PIECE・BLEACHという人気作品は数回分まとめて掲載、月刊のSQで連載されてる(しかも原作はアメリカでも人気のあるコミック・アーティストのスタン・リー)ウルティモを1話掲載、そして、単行本の宣伝を兼ねて新連載作品の最初の数話を載せる、という態勢だったようなんですね。
ある意味合理的、でも、なんかさびしいような。
掲載位置が、打ち切りが、みたいな心配とは関係ないからいいのですかね。
アメリカ版少年ジャンプの中身はこんな感じ。
本文は擬音含めて完訳。
それぞれの作品にここまでのあらすじ的ページが付いている他、ONE PIECEではここまでに登場した悪魔の実辞典的な記事が掲載されています。
あらすじの例(NARUTO)
悪魔の実辞典
部分拡大
悪魔の実の翻訳の仕方って「バラバラの実」が「CHOP-CHOP FRUIT」とかなのか。
語感的にはなんか違和感。
広告は、カードゲーム、TVゲーム、自社単行本など。
犬の動きが歩行をペーシング
あと、定期購読の押しがすごい。
12ヶ月契約だと、店売り価格の50パーセントオフ、18ヶ月だと55パーセントオフ。
お値段がお得になるだけじゃなくて、遊戯王のレアカードもついてくる!ってな広告が入ってます。
遊戯王カードってアメリカでも人気なのか・・・。
オヤジ漫画グルメ系コンビニコミックの構成
まず「オヤジ漫画グルメ系コンビニコミック」ってのが判りにくいですかね。
コンビニで売ってる、再編集版っぽいアレです。日本文芸社とか実業之日本社とかが出してるの。
こんなのね。
B級グルメ食堂スペシャル ボリューム満点編 (Gコミックス)
例えば、これは、あの名作「悪党ランチ」や「ドカコック」の1,2話目が収録されているものなんですが、目次を見ると
目次
スーフォールズ、サウスダコタ州の動物シェルター
- 維新洋食伝(土山しげる) 読切
- 居酒屋舌偵(土山しげる) 2話
- 極板(荒仁×堀井ひろし) 3話
- 花板(荒仁×山口正人) 2話
- デパチカ!(東史朗×藤みきお) 2話
- ドカコック(渡辺保裕) 2話
- 悪党ランチ(原恵一郎) 読切
- 作食ってみました(江口健一) 2話
と、人気作家のを複数話、あとは読切・ショートも混ぜて、と「ある程度のまとめ読み」と「残りは単発でうめる」を両立した構成。
ね、似てるでしょ。
似てるよね?
中身は基本再録なので、こんな感じです。
結構増刷掛かってて、今自分の手元にあるのは4刷り目。
探せば見つかると思うので、買ってみよう!
余話 アメリカの雑誌の定期購読について
アメリカの雑誌における定期購読は、定期購読すると安くなる、自宅に配達してくれる、オマケがつく、割引クーポンがつく、など色々な特典があり、発祥時期としては1800年代くらいまで遡ると思います。
古めの例として、1902年の「HERPER'S MONTHLY MAGAZINE」を見ると、1号当たりだと35セント、年契約だと4ドルで、年20セントお得だったりします。(送料考えるとさらにお得?)
表紙
定期購読価格
この今から100年以上前の雑誌は、これはこれで結構面白くて、挿絵や広告とか見てるだけで楽しい。
カラーもあるよ。
馬車と自動車の値段なんか見ると、物価感がわかるような、わからないような。
コロムビアの広告。蓄音機が5〜150ドル、とか。
モノ自体は、カリフォルニア州サクラメントの無料公共図書館に置かれていたものが1970年代以前に蔵書整理で放出されたものみたいですね。
こんな蔵書印が何箇所かに押されています。
閑話休題。
電子書籍時代になっても定期購読だとお得だったり、おまけついたりってのは変わらないみたい。
ただ、これって途中休刊になったりしたらどうするんですかね。
払い戻すのか、バックれるのか・・・。
日本では、書籍含めた物流が優秀なので定期購読が発展しなかった、とも言えるのかなあ。
といった所で今回はここまで。
0 コメント:
コメントを投稿