代謝を活性化するのに最低限必要な材料は、栄養と運動と睡眠です。この3つの材料を上手に使って、滞った心と体の代謝を活発にしましょう。
■代謝とは生命活動そのもの
私たちは普段の生活のなかで、「代謝」とか「新陳代謝」という言葉をときどき目にしたり使ったりすることがあります。どちらも一般的な意味では「古いものが新しいものに入れ替わること」と説明されます。健康や体の働きをテーマとするときは、もう少し絞り込んで、私たちが食でとり込む栄養物質が体内で細胞やホルモン、血液などに変化したり、エネルギーに変換する作用──とひとまず理解しておきましょう。
食事で摂取した栄養物質は消化管で分解され、体の各器官で利用される形の物質に再合成されます。たとえば、たんぱく質はアミノ酸に分解されて細胞や神経伝達物質などに、糖はブドウ糖に分解されて筋肉や脳でエネルギーへと変化し、私たちの生命活動を支えます。代謝によって私たちは生きているのであり、それが滞れば病気、止まれば死に至ります。
この生命活動そのものともいえる代謝は、私たちが意識する・しないにかかわらず体の中で進行しています。心臓が拍動し、髪や爪が伸び、皮膚が再生され、ホルモンが働くといったように、生きている限り絶えず無意識に行われている代謝、それが「新陳代謝」です。これに対し、家事作業や歩行などの日常動作、ランニングやテニスといったスポーツなどのように、自らの意思で体を動かす代謝が「エネルギー代謝」です。
■代謝の活性度をチェックしてみよう