ガーデニングの手引き MANUAL OF GARDENING 日本語訳 第1章
第1章
見地
どこであろうと、植物が育ち、それらを産み出す土壌はあります。
そして、全ての植物は興味深いものです。
;人は、いくらかの与えられた条件の土地において、
どんな植物を育てようかと選択する時、一人の庭師あるいは農夫になります。
;もし、土地の条件が、選択の余地が無いようである場合、
彼はその場所で自然によって育つ植物を導入するかもしれません。
また、ある程度、なお、ガーデナーや農夫においてそうであるように、
それらの土壌のほとんどを作り上げることによって育つ植物を導入するかもしれません。
それゆえ、全ての家族が庭を持っていると言っても過言ではありません。
もし、1フィートの土地も無いとしたら、ポーチ(玄関)や窓際があります。
日の光のあるところなら何処でも、植物は育つよう造られているのかもしれませんね。
;一つのブリキ缶の中の植物が、もしかすると、1エーカーの芝や花の畑全て(おそらくその他に対しても)、
よりも、さらも有用で、より意向に合うよう、庭に活気を与えることがありえます。
庭の満足は、面積によるものでも、あるいは喜ばしいことに、
そのコスト(費用)でも、植物の珍しさでもありません。
それは、その人の気概によっています。
ある者は始めに愛する植物や自然を捜さなければならず、
それから、その少ない、満足の、好みの、幸福な、土地を耕さなければなりません。
膨大な大多数の事例において、人は、厳粛にではなく、特に初心者とともに、
勝手気ままな意向を持った方が、より幸福であるでしょう。なぜなら、庭とは気分的なものだからです。
植物が育ち、生い茂るならば、彼は幸福であるはずです
;もし、彼が植えたものでは無い植物が偶然に生い茂ったとしても、
それらもやはり植物であり、自然はそれをもって満足させてくれます。
私たちは、自分たちが持つことの出来ないものを羨ましがる傾向があります。
;私たちは、それらが、そうあらねばならないという理由から育つものを愛する時、より幸福です。
贅沢な断念において、育ち、混み合う、元気の良いピッグ・ウィード(ヒユ、アカザ類の雑草)の一区画のほうが、
鋏を入れられ、抑制されて命や精や個別性が活気づけられる、コレウス(錦紫蘇)の花壇の一つよりも、
より良く、そしてより注目すべき価値のあるものであるかもしれないのです。
芝生の中のダンデライオン(タンポポ)について、朝と夜、心配する人は、
そのダンデライオン(タンポポ)を愛することの中に、偉大な安息を見出すでしょう。
花は金貨よりも価値があります。それは、喜びに溢れた春の成長の、
日の光の中で、輝き、そして、虫達をその胸元へと惹きつけます。
小さな子供達はダンデライオン(タンポポ)が好きなものです。
:私達がそうしない理由がありますか?最も手近なものを愛しましょう。
;そして情熱的に愛しましょう。仮に私が庭の門の上にモットーを書いたとしたら、
ソクラテスが、彼が市場の贅沢品を見た時に作ったと言われる、
"私の望まない世界の中で、どれだけ存在するのか!"という一言を、
私は選ぶはずです。
私は、今まさに書いているこの節が、後続のページに詰め込むつもりでいる
すべてのアドバイスよりも、もっと価値があるということを、確信しています。
私が、様々な価値のある著者達、しかし幸福なことに、長い間忘れられていた著者達から、
最も根気を入れて抜粋した、このアドバイスが示すところに抵抗しないでください。
幸福とは人物の質です、植物について、あるいは、庭についてではありません。
;本を書くことにおける喜びへのその期待は、
こんなにも多くの庭造りの本が書かれてきたという理由なのかもしれません。
もちろん、これらのすべての本は、良いものであり有用なものでもありました。
少なくとも、現在の書き手に対して、そうではないと言うの恩知らずになるでしょう。
;しかしながら、本は、年を重ね、そのアドバイスは、次第にありふれたものとなります。
そのセンテンスは、時々、書き換えられたり、章立ての変更を必要としています。
そうでなければ関心が衰えてしまいます。また、明確に言えば、
手仕事における新しい指南書は十年間ごと、あるいは、おそらくもっと頻繁に、
出版者の多い今日において、必要とされています。
そこには、これらのハンドブックの、長く、そして価値ある行の数々がありました。
- すなわち、ガーデナー&ヘップバーン, M'マホン,コベット--独創的で、辛辣で、多才なコベット!
- フェッセンデン ,ブリッジマン,セイヤーズ,ブイスト,そして、さらに若干名,
少しだけより富んだ人々、なぜなら他の者はすでに書かれたのでので。
しかし、全ての本が忘却の中を通過するという事実でさえ、
未だ別の冒険を作りあげることから、手を妨げたりしません。
[Illustration: Fig. 1. The ornamental burdock]
[イラスト: Fig. 1. 観賞用バードック(牛蒡/ゴボウ)]
それから、私は、この本を読む全ての人が一つの庭をつくり、あるいはその一つに挑戦することに期待しています。
;でも、もし、ローズ(薔薇/バラ)が育って欲しい場所で、テア(烏野豌豆/カラスノエンドウ)しか育たなかったら、
私は読者に、最初にピッグ・ウィードに助言したことを、思い出させなければなりません。
この本は、それ故、誰にでも適応することでしょう。--すなわち、経験を積んだガーデナーにとっては、
それは既に知っていることについての復習になるだろうし; 初心者にとっては、それは、
バードック(牛蒡/ゴボウ)の庭に対して、同じように、オニオン(玉葱/タマネギ)に、
応用することができます。
_庭とは何か。_
庭は、個人の私有地であり、家庭の個々な生活と共に最も親密に組み合わされた領域の一部です。
初めにおいて、庭とは、囲い込みや要塞の防壁の内側、
すなわち無防備な領域や向こう側に広がる野原からの区別における領域でした。
そして、この後は、農耕における特別な領土でした。この本は、その庭が、
オーナメント(装飾)としての情熱を注がれる個人や家庭の一部となること、
そして野菜や果物の成長にとってのものであることを理解しています。それ故、庭とは、